IATF16949の導入により厳格な校正サービスの検討を求められます

二つの異なる規格で管理される状態となっています

IATF16949規格は2016年10月にIATF国際自動車産業特別委員会が作成したセクター規格です。それまでVDAドイツ自動車工業会規格のみで要求されていたものを含む、自動車産業固有の要求事項がいくつか新たに追加されてきています。そしてまたこの新しい品質管理システムはISO9001とともに利用することが必要条件となっています。これは詳しくはわかりませんが、おそらくライセンスの問題ではないかと推察されます。ISOのライセンスを取得するために作られた組織がIATFという組織です。ISOはスイスのジュネーブに本部がある国際標準化機構です。今では世界の品質管理の基準として専ら使われているのがスイスのジュネーブに本部がある国際標準化機構が推奨するISO品質管理規格です。こういった複雑な流れがありますので、今では自動車部品工場の管理はISOとIATFの二つの異なる規格で管理される状態となっています。これについては問題も発生してきていますので、よく自動車産業の世界では話題となっています。

そのおかげで高い品質の部品が製造できるようになった

なぜ二つの異なる規格で自動車の部品工場を管理するようになったのでしょうか。当たり前ですが、一つの規格の場合より、二つの規格を比較検討しなければなりませんので、それだけ分析したり、検討したり、理解するのが難しいということになってしまいます。なぜそのような面倒なことをしなければならなかったのでしょうか。それには深い訳がありました。IATFとISOとの間でIATF16949を統合文書として発行するというライセンスに関して合意することができませんでした。これが一番の問題点です。IATFが最終的に取った手段は二つの異なる規格を検討して同時に使うという手段です。相互補完的な意味合いが大変強いので、それはそれで許容できるのかもしれません。しかしながらその分、自動車部品工場における生産管理が複雑になったのは否めません。それでもそのおかげで高い品質の部品が製造できるようになったので、それは一つのメリットとして認めるべきでしょう。

内部組織によるJCSS校正は難しくなってきています

IATF16949規格によって自動車部品は製造工場で厳重に校正されそのクオリティーが極限まで高まりました。これが一つの大きなメリットですが、問題点も見られます。それは今まで自動車工場内の内部試験で検査をクリアできていたのですが、それが幾分難しくなってきたということです。JCSS校正に関しては、今では外部の指定専門業者を使うのが当たり前の状況となってきています。それだけ自動車部品工場の品質管理が厳しくなってきたということでしょう。今まで比較的自由に選べたJCSSの会社を選ぶ条件が一段と厳しくなったということです。いまでは、昔、盛んに行われてきた工場内での内部組織によるJCSS校正は難しくなってきています。